安心しているときほど誤訳しやすい?

この記事は3分で読めます

こんにちは。koinezuです。

今日は、トライアルに取り組んでいる途中に気付いたことについて書きたいと思います。誤訳しやすいときのパターンとその対処法についてです。問題は、実際の仕事中にそれができるのかというところですが、そのあたりについてもおいおい。

結論を出すと考えなくなる

翻訳中、訳語をすんなり決められないという状況を想像してみてください。そして考えて考えて調べた結果、ある “答え” に到達したとします。その答えは、そのときの自分にとってストンと納得できるものです。やっと答えが見つかったと安心します。ちょっと手間どったけれど疑問は解決された、と。実はそれこそがトラップです。一度答えを見つけた、ゆるがない正解だ、と思うと、それ以上は疑わなくなる。考えなくなる。視野がせまくなる。

だから翻訳中なにか新しく理解したときなど、振り返ってその部分に戻って少し考えてみることにしています。そうすると、その “答え” を発見した当時の考え方(視点)とは少し変わっているので、ピンとくることがある。「あっ!勘違いしてたかも?」と。振り返ってもう一度疑ってみる。これ結構大事です。

納期に追われた仕事中はどうする??

ある程度時間がもらえるトライアルだとそれもできるかも。でも、納期に余裕のない翻訳案件の場合はどうするの?そんなイチイチ振り返ってる余裕とかないんじゃないの? そんな風に考えることもあると思います。当然です。現場は時間との勝負ですから。だから案件対応中は、負担のかからない範囲で、できるだけシステム化するようにしています。

あきらかに疑問が残る部分があれば、翻訳文の後ろに★(星マーク)を付けて更にコメントをつけるようにしています。★はCATツール上ですぐに検索して一覧表示できるように。コメント内容は、そのとき結論にいたったプロセスとか疑問に思ったことなどです。場合によっては、CATツール上には★とクエスチョンマーク(?)だけを残して、別ファイル(秀丸やワード)に詳細なコメントを残しておくこともあります。詳細なコメントは、自分の思考プロセスをあとから読んだときちゃんと追えるように具体的にこまかく書いておく。要は重要度によって対処の仕方を変えるようにしています。

でも、すんなり答えに到達してしまったところは、疑いようがなくて困りますよね。そもそも疑ってないんだから、あとからチェックしようがなかったりする。そのときおすすめしたいのが、<訳語確定プロセスをできるだけ多く簡潔に記録しておくこと>です。ポイントは、文字数をできるだけ抑えつつ思考の順番を分かりやすく記録しておくことです。

実際に僕が残すメモは、例えばこんな感じです。

ほとんど独り言ですね。。CATツールで翻訳中、ヨコにメモファイルを開いておいて考えたことを逐一書き込んでいきます。文字通りメモ帳代わりです。

<1>などの数字はCATツール上のセクションに対応させています。翻訳中にささっとメモるのに手間をかけたくないですし、あとから確認しやすいのでそうしています。僕は秀丸ファイルを使っていますが、エクセルでも良いかもしれません。また、〇はそのときの結論、⇒(矢印)は考えた順番、★の数は重要度、です。頭に浮かんだ選択肢を記録しておくことが大事だと思っています。落とした選択肢は案外思い出すのが難しいですし、それをあとから採用する可能性だってあります。

ここでは、長ったらしい書き方をしないことです。翻訳作業がサクサク進みません。例えば、「〇〇と検索したら、〇〇と〇〇の候補があって、さらに〇〇が〇〇であることを確認し、〇〇方面からも裏取りした結果、〇〇という用語が妥当であり、この結果この分野でも〇〇という用語で間違いないと思う」とか、です。

ポイントは、自分が理解できてプロセスもちゃんと追える、最低限の情報を残しておくことです。これをしておくと、あとからざっとメモを見直したとき、なにかしらピンとくることがあります。ほとんど無意識ですが。自分のメモを基点に論理の流れを追う過程に、なにかおかしなものに気付くことがあります。ごめんなさい、ちょっとうまく表現できませんね。おそらく脳がもう一度検証作業をしてくれているんでしょう。

まとめ

誤訳しそうになったケースをいろいろ経験して、この方法にいたりました。実は、以前受講していた特許翻訳講座の受け売りも多分に入っているんですけどね。今後データが蓄積されるたびに少しずつ効率的かつ抜けのない方法に改善していくと思います。翻訳中はできるだけ翻訳に集中したいですから、効率を考えると、ほんとは集中が途切れるメモはできるだけしない方がいいんです。音声認識で入力してくれるようなソフトを別PCで起動させておくというのもアリですね。

最後に書籍のご紹介

簡潔かつ的確に言いたいことを表現する。その重要性を分かっていても、実際にやるのはなかなか難しいもんです。読んでいろいろ勉強になったのでご紹介しておきます。頭の中の整理ってホント大事!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

    • 似非姉
    • 2017年 9月23日

    わかる!わかる!
    私はwordでやるようにしています。
    参考資料とか、ペッペ貼れるし、それこそ色付けたり、何だり。
    wordって結構有能っすよ。

    当たり→あたり
    宝くじ当たり!ってなりたーい(買ってないけど)。

    • koinezu
    • 2017年 9月23日

    なるほどー
    今度ワード君も打席に立たせてみましょうかね(監督目線)
    買わないと当たりませんよ~宝くじ(笑)

    ちな、ツイッタにあわせて koinezu と名乗ります。
    これまで通り、いろいろ好きなように呼んじゃってくださいw

  1. この記事へのトラックバックはありません。

特許翻訳のコツ

学会

展示会・セミナー

翻訳者の装備品

アーカイブ

今日は何を読もうかな