白衣脱いでポリマー分析してきました。

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こんにちは。

先日の 『白衣着てポリマー作ってきました。』の続きです。だいぶ記憶が曖昧になってきておりますが。。

前回に引き続き実習2日目について書こうと思います。上の写真はwikiから引っ張ってきたNMR(核磁気共鳴)の写真ですが、ほぼ同じタイプの装置で試料を測定する様子も見せて頂きました。(測定中は少し控えめにブォーンって)

1日目に、メタクリル酸メチルモノマーとラジカル重合開始剤とを反応させてポリマー(PMMA)を合成したわけですが、2日目は、そのポリマーの分析を行いました。予習して挑んだにも関わらず、分かっていないことが多く今も頭を整理しながら書いてます。

 

モノマー同士を重合させて鎖を順につなげていくように目的のポリマーを作るわけですが、できあがるポリマー1つ1つの分子量はそれぞれバラバラなんですね。長いものもあれば短いものもある。高校以来で化学を勉強し直し始めた約2年前頃、実は化学ってもっと厳密で一様なものだと思ってました。「AとBをCの存在下(ABCは一定量)●●の条件で反応させたら、同じ大きさのDが合計100gと同じ大きさのEが合計100gキッチリできます」的な。でも実際はそうはならない。刻一刻と変化する温度などの微妙な条件の違いで反応結果が変わることもあれば、それら条件を完璧に整えたところで反応物質同士の相互作用や物理的な位置関係(分散性とか)などで想定とは異なる副生成物が発生するなど。まーいろいろと思い通りにはならないんですね。。

 

それで、1日目に作ったポリマーの大きさや特性、物性などを分析して評価しましょうというのが2日目にやったことです。一見同じように見える粉末状のポリマーも、ミクロの視点から眺めるとそれぞれの特徴が見えてきます。

分析に使用した装置は3つ。

  1. SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)
  2. DSC(示差走査熱量測定)
  3. HNMR(プロトン核磁気共鳴)

1つ1つ詳細に書いていくと非常に長くなってしまうので、実際に分析した感想を交えつつかいつまんで説明します。

 

SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)

機能 : ポリマーを分子量(大きさ)の違いにより分離しその分布を測定する
構造&原理 : 棒状のカラムの中に非常に細かい孔がたくさん開いたゲルビーズが充填されていて、そのカラムに試料を通すと試料中の分子サイズの違いによって流れ出るタイミングが変わり(小さな分子はゲル孔に入り込んでなかなか流れ出ず、逆に大きな分子は孔に入り込めず素通りしてさっさと流れ出る)、相対的な分子量分布を測定する。

⇒ 感想
SECについては大体理解できていたのですが、実機を前に具体的な説明を伺うことができ知識が増えました。試料を注入する際の許容圧力が各カラムに設定されているのですが、複数連結する際は各カラムの総和として許容圧力を計算してよい(14MPa と 10MPa を連結すると 合計24MPa の圧力に耐えられる)、とか。溶離液(試料を溶かす溶媒)中に含まれる安定剤(アミレン等)が時には測定の妨げになる(その場合は無添加の多少高い溶離液を購入する)、とか。

 

DSC(示差走査熱量測定)

機能 : 測定対象試料と標準物質の温度差から試料の融点、結晶化温度、ガラス転移温度を測定する
構造&原理 : 直径5ミリほどの容器(サンプルパンと呼ばれアルミ製の使用が多い)を2つ用意する。一方に測定試料を入れもう一方に標準物質(測定範囲の熱で相転移しない物質)を入れてから、それぞれにフタをしてDSC装置にセット。両方のサンプルパン上部に同じ熱をかけ一定比率で昇温させる。サンプルパン下部のセンサで各サンプルの熱を測定し ”温度差” をグラフにプロットする。温度差の挙動から融点、結晶化温度、ガラス転移温度を推定する。

⇒ 感想
まだ理解が追いつかずうまく説明できないのですが、温度変化をプロットしたグラフをざっと見ただけでは ”現象” の説明はできないということが分かりました。様々な要因があり、グラフの傾きが生じた理由を様々な視点から考慮して合理的で妥当性のある結論を出すということ。企業の担当者の方から具体的な推測とその裏付け説明を頂いたにもかかわらず、メモ追いつかず記憶も薄れ。。反省です。

 

HNMR(プロトン核磁気共鳴)

機能 : 試料に磁場を与え、試料中の水素(プロトン)の原子核スピンを共鳴周波数の違いに応じて分離し試料ポリマー分子の立体規則性を評価する
構造&原理 :装置の中央に試料をセットし磁場をかける。ポリマー分子中のプロトンの結合位置により共鳴周波数が異なることを利用し、周波数(磁場)の程度に応じたプロトンの分布をグラフにプロットする。(プロトンの近くにある官能基、例えばメチル基やエステル基によりプロトンの電子密度に差が生じる)

⇒ 感想
自分の作ったポリマーのNMRスペクトルを見ながら、どのピークがどの部分(分子中の位置)に対応しているのかを検討しました。非常にざっくりとした理解ですが原理も把握することができました。これまではピーク結果だけを見てこんな構造になってるのかという程度でしたが、電子密度の違い、電気陰性度の強弱に注目して考えられるようになりました。理解できていないところはまだまだ多いのですが。。

 

本当は、写真や図を並べつつ自分の理解を整理して説明しようと思ったのですが。。記憶の新しい内にちゃっちゃと書いてしまうべきでしたね。でも一度聞いたことや理解したことというのは、後からふとした瞬間に記憶が蘇ったり繋がったりするものです。すぐに役立つ知識ではないかもしれませんが小さい経験の積み重ねですので、ちまちま勉強していきます。

 

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