JASIS 2016 個別報告①<0.1フェムトリットルの液滴>

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JASIS 2016 では、ほっとんどが分析機器関連のブースなのですが、一部、産学連携や大学主催、企業共同体、ベンチャーなどの出展スペースもあり、こちらは大手企業とはまた違った毛色で打ち出し方も違っていて楽しめました。ブースで説明を伺っていて一番興奮したのは、実はこのタイプのブースでした。

 

1つだけ忘れないうちにご紹介します。

 

株式会社SIJテクノロジ
社名にもなっている SIJ(Super Ink Jet)、スーパーなインクジェットマシーンを開発・販売する会社さんです。

どこに興奮したかと言うと、そしてどこがスーパーかと言うと、最小で0.1フェムトリットルの液滴を吐出可能なインクジェット加工装置であるということ。家庭用のインクジェットプリンターを想像して頂ければ分かり易いのですが、その小ささがナノを超えてフェムトの領域なんです!感覚的にきょとんとするぐらい小さいんです。ここまでくると実際、「ほーなるほど」としかリアクション取り様がないんですけど(笑)

 

ここで言う0.1フェムトリットルとは液滴の体積のことですので直径とは異なり、
1×100 L(1リットル)の体積、103 cm3  これが基準となります。

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*wikipediaより転載

 

ナノリットルが、1×10-9 L(10億分の1リットル)、ピコリットルが、1×10-12 L(1兆分の1リットル)で、フェムトリットルは、1×10-15 L(1000兆分の1リットル)となり、0.1フェムトリットルとなると、更にその10分の1の体積、1×10-16 L(1京分の1リットル)です。1リットル入りの牛乳を1京個に等分した液滴の体積が0.1フェムトリットルです。もはやミクロ過ぎて、いやフェムト過ぎて分かりませんね。

市販されている家庭用インクジェットプリンターの液滴サイズが1~2ピコリットルなので、その1000~2000分の1のサイズということになります。また、よく最近の公園とかに設置されてる冷却用の霧噴霧マシンの霧の体積が1ピコリットル(直径10マイクロメートル)程度のようです。(下記イラストのドライフォグを参照下さい)あのひんやりするけど濡れないミストです。最初っからこう言えば良かったですね。。

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*株式会社鎌倉製作所のHPより転載

 

0.1フェムトリットルという体積がどのくらい小さいものなのか想像できたと思います。
ではではやっとこさ、このSIJテクノロジ社の技術の具体例に入りましょう。
家庭用のインクジェットプリンターでは印刷用紙上に約1ピコリットルの液滴を噴射して写真などを表現するわけですが、1ピコリットルそのまんまのドット(正確に言うと直径約10マイクロメートルのドット)を描けるわけではありません。それは紙の表面に液滴が付着した際にどうしても紙面上に大きく広がってしまうからです。液滴自体の表面張力や粘性、また紙など印刷物表面の濡れ性による違いにも左右されますが、液滴が物質に付着するとその付着幅は元々の粒子の直径よりもはるかに大きくなってしまうということを理解頂けれるかと思います。

 

ドットの直径が従来のインクジェットプリンターと比べてどの程度違うのかは、下記イラストを見て頂くと分かり易いと思います。

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*株式会社SIJテクノロジ HPより転載

体積比では約1000分の1以下、付着時のドット直径比では約10分の1以下です。この技術を用いれば線幅1マイクロメートルを表現できます。実際にはこのサイズの液滴を通常の印刷用紙に適用したとしても、にじんでしまい効果がなくなってしまうらしいので、半導体関連のレジスト塗布や回路配線(導電性インク)、微細めっき加工、微細回路の修繕などに応用されているようです。

現状の半導体技術における線幅限界が14ナノメートル程度だったと思います。それと比較すると線幅1マイクロメートルはまだまだ差がありますが、SIJ社のインクジェット加工装置は半導体製造の大きく複雑な装置構成に比べ小さく単純な構造であり、用途別にうまく使い分けができるのかもしれません。またバイオ関連や3Dプリンタ関連への応用も楽しみです。

 

最後はしりつぼみになってしまいましたが、しかも分離分析とは少~し離れた分野の紹介でしたが、JASIS 2016 個別報告①でした。

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