not more than one って迷うよね

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not more than one ●●

なんとも、悩ましい表現です ( ̄Д ̄;;

  • not more than ●●  ●●以下
  • more than one ●● (自然数が妥当な場合)2つ以上の●●

<2つ以上の●●> を not(否定)しているのだから、<2つ以下の●●>か??
それとも素直に<1つ以下の●●>か??

特許明細書を翻訳(和訳)していると、こーゆーのに案外悩みます。
以下、僕個人の結論を具体例と共に記載します。

 

The polymerizable monomer (1) can be described as follows:

having exactly two (meth)acrylate reactive moieties,
having an unsymmetrical backbone as linkage between the (meth)acrylate reactive moieties,
the two (meth)acrylate reactive moieties being attached onto the unsymmetrical monomer backbone as alkyl esters,
the unsymmetrical backbone comprising exactly one aromatic moiety of the phenolic type,
preferably containing not more than one additional aromatic moiety within the unsymmetrical monomer backbone not being part of the linkage between the reactive groups but being attached onto this linkage between the reactive groups,

【出典 US20170065495A1】

歯科用の接着剤組成物に関する明細書の抜粋です。
(①や②などの数字は、分かりやすく付けました)
簡単に図解するとこんな感じです。

dental adhesive

問題は、側鎖に存在する<芳香族部分>が、1つ以下なのか? 2つ以下なのか?
この場合、数える対象となるのは芳香族部分なので、1.75個とかはありません。
そうなると、選択肢は以下の2つ

  • 1つ以下 = 『1』 又は 『0』
  • 2つ以下 = 『2』 『1』 又は 『0』

結局、現実的にはどちらともあり得るわけですが、
最終的には明細書中に例示されている化合物の構造式から判断し、
『1つ以下』と決めました。
(*ブログ主の解釈です。たぶん間違っていないと思いますが。。)

文法知識だけに頼って翻訳してしまうと、もっと込み入った表現だったり、そもそも原文の表現が間違っていた場合、正解を導けないかもしれません。

ちなみに、unsymmetrical backbone についても、
『主鎖』とすべきか『骨格』とすべきか迷っていましたが、
(明細書中では、モノマー構造について詳述しておりどちらも表現としては妥当と思う)
上の芳香族部分には、<主鎖の一部に組み込まれたもの>と<側鎖に存在するもの>の2種類が存在していることから、明細書全体の文意がより良く伝わると思われる『主鎖』に決めました。

 

*公開されている特許明細書を趣味であーだこーだ言ってるだけです。実際請け負っている案件内容について記載することはありません。念のため。

 

2017年4月26日 -追記-
unsymmetrical backbone は、やっぱり『骨格』 だな。
請求項を翻訳しながら明細書全体を見直すと、<反応性部分>はあくまで(メタ)アクリレート部分であって、それらを繋ぐ骨格としての役割を強調して翻訳する方が、すっと入ってくる(理解できる)ような気がする。

最初は<組成物の酸性度>をコントロールする方法についても書かれているかと思ったが、発明の内容は、あくまで構成成分の列挙のみでモノの発明。発明の名称から分かるのですが。。

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